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2008年8月24日 (日)

藤田

Img_0165  『レオナール・フジタ展』を観た。日本では札幌の近代美術館が皮切りとなっているのだが、この展覧会の開催に北海道新聞社が関わっていたことを会場で知った。それだけに、観覧後に販売店に並んでいたカタログは、北海道新聞社が力を入れて製作したらしく、かなり細かい内容まで網羅しており、おそらくこれ以上に「フジタ」について詳しく書かれた図録はないのでは、とすぐに判断でき、即決で買い求めてしまった。2,500円。これから行く人には、お買い得だと伝えたい。

 さて、レオナール・フジタは日本では藤田嗣治として知られている。エコール・ド・パリで活躍した画家のうちの一人で、その意味ではユトリロやモジリアーニと並び称される、フランスで最も評価された日本人画家と言えるかもしれない。その割には日本で今まであまり紹介されていなかったのが残念であった。

 私は、この画家を高校一年のときに知った。加藤楸邨の孫という現代国語の先生が、授業中に、東山魁夷のエッセイの授業中に紹介したのだったように思う。“ほら、あのパリで活躍した、猫が得意な画家・・・えぇと、ほら、そう、藤田ツグジ!”と、彼は継治をツグジと呼んでいたが、日本人ならよくあることだったから、間違いとは思わなかった。ただ、今回、あらためて展示の説明を読んで、彼がフランスに帰化していたことを知った。つまり、彼を呼ぶときに、ただ日本人の藤田嗣治というのでは理解が不足していたかな、と思ったくらいである。

 実際に眺めてみて、彼の絵は、私の好きなタイプの絵ではなかった。特に、「乳白色」と形容された裸婦の絵にはさほど惹きつけられるものではなかった。しかし、数少ない、パリの街の風景であるとか、キリスト教の洗礼を受けた頃からの、聖書の内容を取り上げた絵は、日本人が描いたとは思えない、観る者を圧倒する迫力を感じさせた。

 彼は、シャンパンメーカーの「マム」の社長の元で洗礼を受け、ランスのマム社の敷地内に礼拝堂を建てたのだという。

 ランスには大聖堂があり、そこのステンドグラスにはシャガールが絵を描いている(そのすぐ近くにはクレーム・ブリュレの美味しいレストランがあるが・・・)。それが、あまりに話題にされ、ランスの名物はあとはシャンパンだけと思っていたことが情けない。以前は、モエ社とピペ社の見学には行ったが、もう一度、ランスに行けたら、マム社に行って、藤田の足跡を辿ってみたいものである。

 今回、日本では近畿圏での開催がないようだが、日本人にもっと知られていい作家であり、また、その絶好の機会である。

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コメント

忘れていました!私も前売りチケットを持っていたのでした。今週こそ、行かなくては。フジタは戦争画を描いたとして、戦後、日本の画壇から排斥されたんですよね。その戦争画の巧さも大したものであるのですが、まだアメリカにあるのでしょうか。フランスに帰化するようになる顛末には、同情も持ちます。フランスで美空ひばりなんかも聞いていたらしいですね。異邦人として生きたフランスで、最後の拠り所はキリスト教だった・・・ぶれない価値を求めたのでしょうか。

現代国語を教えていらしたのは加藤楸邨の孫ではなくて「長男」です。小淵沢に「加藤楸邨記念館」があったときには「館長」もなさっていました。

藤田嗣司(フジタツグジ)と読んでいました。まちがいかなー?昔はよく知られた画家でした。世代が違うと意識も異なるのですね。

 失礼しました。30年以上全く間違って覚えていましたが、より近く、親しい方から指摘されるとは思いませんでした。ありがとうございます。

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